あきもりブログ

人生で培ったどうでもいいこと中心に発信しています。基本的に自分の為です。

【考察編】黒い羊 希望的考察。絶望という孤独から希望という孤独に

 

 

cre8a2mart.hatenablog.com

 

前回の前置きが長くなったのでここでは即、考察に入ります。

 

kikkaさん記事と同じくメンバー人ずつ分けて書こうと思ってたけど

あまりにかぶってしまうので、

MVのリアルタイム方式で書きたいと思います。

多少読みづらいかもしれませんが、

隣にMVを置きながら見比べつつ、映像ともにお楽しみいただければと思います。

 

www.keyakizaka46.com

 

 

00:00~00:18

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まず冒頭のピアノから平手登場までのシーン

 

自殺現場に土足で踏み入るメディアや野次馬が集まってきています。

彼岸花を手向けようとやってきた僕(平手)はそれを見て、

そこに行くことをやめてしまいます。

そもそも、欅の曲に登場する僕は大人や社会の大衆が苦手です。

だからこそ、平手が常にセンターである必要があるのでしょう。

で、

もしここで平手が彼岸花を供えに行ったら、

インタビューにあうかもしれないし、野次馬には変な目で見られるかもしれないし、

そんな絵を想像すると、これから出てくる現実に絶望しているそれぞれのメンバーとなんら変わらない世界に平手もいることがわかります。

そしてそれは平手そのものにも重なってくる気がして冒頭20秒足らずで

欅の世界に引き込まれます。

 

そして、

ここで自殺した人について

私は二つの解釈をしております。

 

一つは

”現実に絶望した誰かであり、誰でもない”

という考え。

 

どういうことかというと、

自殺してしまった人は平手の大切な人かもしれないし、

これから出てくる絶望したメンバーや登場人物のだれかかもしれないし、

はたまた平手も全く知らない人かもしれない。

ただ平手が救うことができなかったという事実は誰であろうと変わらない。だからこそ、平手はこれからすべての人を救おうとするんだと思います。

これから出てくる登場人物のすべての人に自殺してしまった人である可能性、自殺してしまう人の可能性があるから。

とても抽象的な解釈ですが、抽象的だからこそ意味があるシーンだと、最初は思いました。

 

そしてもう一つ。

これは全体を見終わってから、もう少し深掘りしたときに行き着いた考察。

最初に一個目の考察にスッと行き着いたのですが少しひっかかる部分がありました。

それは、平手が花を手向けに来た早さです。

遺体こそないですが、メディアや野次馬が集まっていることから

自殺があってからそこまで時間はあまり経ってないはずなのに、

平手はまるで自殺することを事前に知っていたかのように花を用意して

落ち着いた面持ちでそこにいます。

 

つまり、ここで自殺した人は

生前、平手と何らかの関係があり、平手がどうにも救えなかった

”友達”あるいは”実の母親”か”父親”だったんじゃないかという仮説。

そしてその自殺者は事前に自殺するということを平手に知らせていて、

平手も知っていながらもどうにもできなかった、そのせめてもの弔いや謝意を込めて、彼岸花を手向けに来たのかなと。

平手の親については後述します。

 

あと、ここで話題になっている出入り口右側にうずくまっている

黒い服に覆われた人物。

これは最初、人間というより、孤独や死、絶望そのものの表現だと解釈しましたが、後々この人物のような黒いやつと白いやつどころか、黒と白が混在したやつとかが出てきて、考えているうちによくわからなくなってしまいました。。

なんとなく、登場人物たちの中で揺れ動く、白い羊側の心と黒い羊側の心の

心情そのもののようなものにも感じます。

少し文章にうまくできないので、気が向いたら追記します。笑

 

0:20~

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彼岸花を手向けることをやめた平手は人々が絶望する現実の世界へと戻っていきます。

そこにはあらゆる状況で人生に絶望を感じ生きる情熱を失ってしまっている人間がたくさんいます。

 

ここからメンバーのストーリーへ。

 

まず、おぜき

もうブログで語られていますが、

親からの過度な期待に応えられない大学生。らしいですね。

大学生とまではわからないですが、親にガミガミ言われて勉強に嫌になり

自暴自棄になってしまっている子

というイメージでした。

 

そして、ふーちゃん

こちらも既にブログにて設定は出てますが、

貧乏な家庭で育ち、自分の両親を彼氏に馬鹿にされている女性

とのこと。

ブログを読む前に自分なりに解釈していたイメージは

上着がペアルックなので付き合ってる彼氏であることは共通してましたが、

(後ろに警察か警備員のような人ともめてる人がいることから)

その彼氏が何か犯罪を犯してしまい、それに激しく怒り、別れを告げる彼女

というような解釈でした。

 

続いて、

鏡の中におそらくちらっと鈴本。

 

からの、しーちゃんですね。

すごい演技力。

ラジオでは、警官に補導されてちょっとグレてる、という情報のみでした。

 

ここで私はしーちゃんが「やってない!!」と言っているように見えたので最初は、

後ろで白い目で見ているのが親や友達を表していて、日ごろから素行の悪いその娘は家族からも見放され友達もいない、孤独な不良となり、

その風貌だけで万引き犯に間違われて無理やり捕まってしまった、という解釈でした。なんてかわいそうな設定なんだ。

と思っていましたが、kikkaさんの考察でさらっと万引きがバレてと書いてあることで冷静に、万引き犯に間違われることってないか。とも思いました。笑

実際に万引きしていたとしたら、風貌は不良でグレていながら、

心の中では化粧品も欲しいし化粧してかわいくなりたいと思う普通の女の子、

けど親から見放され、お金がなくて、寂しさから万引きしてしまった。という背景を想像します。

んー、しーちゃんはなんて言っているのでしょうか。万引きしてしまったのかどうなのか。

 

そして、鈴本

超孤独感が出ています。

手に持っていたものが何かわからなくて気になる。

この孤独感はどこから来るのか、と考えてみました。

鈴本の後ろに壁(柱)を隔てた若い男女がいますが、

この二人は鈴本の両親な気がしました。

背を向き合い、二人からも孤独感が伝わり、物やごみが散乱した場所に

鈴本は一人でテレビを見ていて引きこもっています、

家庭崩壊あるいは育児放棄されているのかもしれません。

とにもかくにも、鈴本は独りぼっちです。

 

続いて、おだなな

この一瞬だけど、すごい辛そうな表情。

スーツを来た女性に言われていることを苦悶の表情で拒絶するかの如く

耳をふさぎ頭を振りながら、後ずさりして離れていきます。

私の解釈では、スーツを着た女性は教師で、

成績や将来についてなんやかんやと言われて、嫌になってしまった若者

という設定を想像しました。

将来というプレッシャーに対して、後ずさりしてしまっているという表現。

 

そのあとすぐに守屋

ここは正直、情報が少なすぎてすぐわからなかったけど、

バッグを持って立ちすくんでいることから、

会社を辞めたいけど上司による何らかの圧力で辞められないOL

みたいな。守屋だからこそOL感が出てます。

 

くらいの考察でしたが、ゆうパラで設定言ってくれましたね。

パワハラを受けているOLさん

とのこと。パワハラされてたんですね。

辞めさせないという行為がパワハラに当たるかもしれません。

深いところの設定をいつか話してくれることを期待。

 

そして、途中に

男性二人がもみ合いになっているところを赤いドレスの女性が必死に止めています。

服装からして夜の仕事か何かの喧嘩でしょうか。

何はともあれ、女性の前でなりふり構わず喧嘩している姿は嫌悪感を抱きます。

この赤いドレスの女性、この後も何回か出てきます。何気に謎が多いです。

 

その横奥には、段ボールを積み上げた荷物を運ぶ親子。

そこには次のシーンで石森が使うまっさらなデスクがあります。

おそらくその会社を辞めた片親とその子供でしょうか。

 

そして小林

これはわかりやすいですが、いじめですね。

Black Sheepと書かれたロッカーの前で除け者にされた小林が

いじめっ子にプリントを取られカバンを蹴られののしられ突き飛ばされてます。

こんなストレートな描写久しぶりに見ました。

なんならカーディガンにペンキが着いちゃってます。血ではないはず。

 

先ほどのデスクに新人の石森が座っています。

新人をいいことにここでもいじめのような描写。

いじめは必ずしも学校だけで起こるものではありません。

もしかしたら、先ほど登場した荷物を運んでいた女性もいじめられて辞めたのかもしれません。

先輩社員に圧力をかけられ、苦しそうです。

 

 

その後ろでは何かをバットでひたすらたたきまくる狂気的な男女。

もう気が狂ってます。何かどうしようもない、どこにもぶつけられない気持ちを

これでもかというくらいぶっ叩いてます。

 

続いて小池

もラジオで言ってますね。

自分を責めて責めて追い込んでしまって、SNSで誰かから暗い内容の通知が届き、

人生をあきらめてしまって行動に移してしまうような役。が本来の設定。

 

私の解釈は、どこにでもいるようなスマホに依存した繊細な女の子。

簡単な言葉で言ってしまうのであれば、メンヘラ。

SNSやネットには気にも留めなくていいようなバッシングや愛のない言葉が散見されます。現実では言えないような強い言葉も、

本人が思う以上に簡単に相手を傷つけてしまうような言葉も、

匿名であれば気軽に言えてしまう、そんな恐ろしさがあります。

そんな投稿を見てくだらないと思いながらも、繊細な彼女には生きづらい世の中です。溜息にも似た笑みを浮かべながら生きる気力を失っているように見えました。

言葉では説明しづらい感情を、見事に表現されていると思いました。

 

そして、サビに入ります。

 

1:06~

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菅井はメッセ?で

父親を亡くした売れないデザイナーという役柄ということを明かしているそうです。

 

私の個人的解釈は以下でした。

菅井の父親であろう男性が亡くなってしまい、

泣き崩れる菅井の向こう側には車いすに乗った無感情ともとれる表情の母親。

おそらく母親ももう元気な状態ではなく、介護も必要であることが見て取れます。

今まで父親と二人で面倒を見てきたのに、その大切な存在であった父親がいなくなってしまっては、これからもう一人の大切な存在、母親を一人きりでどう面倒見るというのか。

今までの絶望感とはまた少し違う絶望感な気がしました。

 デザイナーの要素なさ過ぎませんか。

 

個人的に、サビの勢いも相まって、ここの描写とても好きです。

今までのそれぞれの絶望を蓄積した上で、

サビにきて、とても具体的な「死」というほぼすべての人間にとって言える、

現実に直面するであろう大きな絶望をテーマにしています。

 

また、その後ろにある階段を登っていく人の姿が見えます。

それに続くようにしてもう一人階段へと進んでいきます。

階段を上った先が屋上とは限らないかもしれませんが、

屋上に向かっているのであれば、死に向かっていることになります。

これはある意味、亡くなった菅井の父親の死ともリンクしているのかもしれません。

 

そして、菅井のこの、大切な人物を失ってしまった状況、

そう、平手と似ているんです。

けど、菅井は近づこうとした平手を拒むようにして遠ざけてしまいます。

 

詳細は後述しますが、

全体を通して生きることへの希望を投げかけているこのMVでは

ここまではそれぞれの登場人物がメインのプロローグ

ここから第一章の始まりになるようなイメージを持っています。

 

1:13~

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菅井に遠ざけられ、突き放された平手は悲しい表情。

その先にはしーちゃんが。

一度は抱きしめにいくもやっぱり遠ざけられてしまいます。

 

その後ろでは、何か宗教じみた雰囲気で一人が高いところから、

全く異なる風貌をした数人を支配しているような絵があります。

 

そこからいじめられている小林を救おうとする平手。

しかし、またもや遠ざけられる。

さらに彼岸花さえも一度取られてしまう。

それでも平手は、小林を救おうと抱きしめます。

すると、小林は平手を抱きしめ返し、彼岸花も返します。

ほんの少し救われたのかもしれません。

 

ここからは深読みしすぎかもしれませんが、

平手が小林に駆け寄ったとき、

その後ろに黒い服をまとった人物が歩いています。一瞬MV冒頭の黒いあいつかと思いましたが、

よく見ると中に赤いドレスが見えることから、

恐らく小林が最初にいじめられてた手前で、男性二人の喧嘩を止めていたあの赤いドレスの女性ではないかと思われます。

今回は子供と一緒に悲しげに歩きながら、先ほどの階段に向かってる気がします。

小林の設定に何か関係があるのかとも思いましたが、なぜ子供がいるのか、黒い服をまとっているのか、謎です。

また、後々小林とは関係のないところでも実はもう一度登場します。

 

なので、同一人物ではない可能性も全然ありますが、んーよくわかりません。

 

 

小林を抱きしめるシーンでは

お札が降ってきて、

その横を、同じような服装をした数人が駆け抜けていきます。その手には白い旗と黒い旗。

駆け抜けた行先は死でしょうか。ここも正直よくわかりませんが、お金に翻弄されて人生狂ってしまった白い羊、黒い羊の人たちでしょうか。

何か良さげな解釈があれば聞きたいです。

 

そしてべりさ

ARIADNEと書かれたネオン。調べると、アリアドネーというギリシャ神話に登場する女性らしいです。その意味は"とりわけて潔らかに聖い娘"らしいです。読み方すらよくわからない言葉ですが、人間でありながら女神でもある、というようなことも書いてあります。

まぁ、つまるところ、女神のような清純で美しい女性みたいなことでしょう。

これはこのべりさに通じていると思われます。

本来、そんな清純な女神みたいな子なのになんらかの理由で、

くそみたいなバーでくそみたいな男たちに弄ばれそうになっています。

そこを救う平手。よくやった、としか言いようがない。

しかし、べりさは平手を突き放します。

 

次に、

助けを求めていた石森に平手という救いの手が現れ、平手にもっとそばにいてという表情を見せるも、平手はすぐにごめんという表情で次へ向かってしまいます。

今はこの解釈に落ち着いていますが、ここでなぜ元々、石森だけ、平手を待つようにして受け入れ、抱きしめあったのかが少し引っ掛かります。

まとめなどでも平手との関連性について、結構話題になっているポイントですね。

 

そして、平手が向かう先は再び小池。

バスタブでリストカットしてしまっています。

手前の柱に寄り掛かる女性はそんな小池を見ていました。

しかし救えず泣き出してしまいます。小池の親とも取れます。

そこへ、平手が駆け寄り、そんなことしちゃだめだというように首を振りながら

強く抱きしめる。胸がぐっとなります。

 

1:45~

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ここからシーンが変わり、二番に入っていきます。

今まで登場した人物同士も接点ができてくるような、第二章になるイメージ。

 

土生ちゃんに関してはkikkaさんの考察と全く同じでした。

後だしになってしまいますが。。

というかもういくつかなってるけど。

 

見るからに男性っぽい恰好をした土生がセーラー服の女の子と並んで歩く。

これは同性愛を表していながらも高校生が相手というところで

同時に禁断の恋みたいなことを表しているようにも見えました。

 

その後ろには、守屋、そしてその守屋と手をつなぐ石森、

べりさも守屋の肩に手を置き同じ方向に歩きます。

さらにその後ろには男性二人組、男女の若いカップルも続いてきます。

さらにさらにその後ろにも何人かついてきます。その中にはあの小林と関係あるのか?と思っていた赤いドレスの女性もいます。この人はどんな設定なんでしょうか。メンバーくらい気になります。笑

 

これは少し怖い仮説ですが、

ここでは集団自殺みたいなものを表しているように思いました。

それぞれの絶望をもった人々が意を決して、集団となり、同じ方向、

いわゆる死へ向かっていくような雰囲気を感じました。

 

そして階段へ。

屋上へと少しずつ近づいていきます。

 

ねるリクルートスーツを着て

恐らく不合格通知を見ながら、覇気なく階段を下りていきます。

その横には一列に並んで上司に一方的に怒られている社会人たち。

階段の位置もポイントで、上司が一番上にいて見下すようにして偉そうな態度をとっています。そしてその下に男性、更に下に女性が続いています。

そんな社会的地位を表す階段から転げ落ちるサラリーマンはリストラを感じさせます。

この一連の描写は女性の社会的格差を含んだ、社会での上下関係を表しているように思います。

 

そんな大人の社会の反対には

鈴本となーこ

鎖が下がりホースが絡まっている階段は、そこにたたずむ二人の不自由さの象徴かもしれません。

家庭が崩壊していた鈴本は、なーこと出会います。

なーこは親がいないような気がします。なんとなく鈴本と境遇が似ていて、同じような孤独感です。

人形はそんな孤独な子供の象徴でもあるのかもしれません。

 

そして、おばあさんは人形を抱えています。

親のいない子供と対比して、子供のいない親を表している気がしました。

 

階段ではいろんな人から冷たい視線や、言葉を浴びせられる平手。

聞こえないふりをするように進みます。

 

正面の壁には写真のない額縁と鳥のいない鳥かご。

この壁も、鎖の階段と同様、不自由さを表現しているんだと思います。

額縁、フレーム、枠、鳥かご、と書くと何となく不自由さをイメージできますでしょうか。

そして、その横に鳥を持つぺーちゃん

かごの中にいた鳥を出したのか。

対して、鳥は自由の象徴とされることが多いです。

ここにいるぺーちゃんもそんなかごの中の不自由な鳥と自分を重ね、

自由にさせてあげるために取り出したのかもしれません。

また、かごが二つに対して鳥は一羽。

元々いたもう一羽は死んでしまったのか、逃げたのか、

いずれにせよ、この鳥も孤独だったのかもしれません。

 

階段の先には白い布をまとった二人組。

その向こうでは何をしているのかよくわかりません。

そして、女性と男性が何やらもめています。

その横には黒い布をまとった一人の男性。

 

この一連のシーンは何回考えても良い解釈が浮かびませんでしたが、

一応、今今立ててる仮説は、

白い二人はいわゆる白い羊側の人間。だからこそ二人。

その後ろにはもやもやしてるけどなんとなく楽し気な雰囲気でありながら、

どこか閉鎖された空間の中にいます。

白い羊側の世界ですね。

 

対して黒い羊はやっぱり孤独。

その狭間で揺れる理解しあえない大人がもめている。

 

そして物語は黒い羊がいる方の世界へと入っていく。

ようなイメージ。だけど正直ここもしっくりは来てません。

 

先を進むと中華料理屋の看板の前でもめています。

横の壁には、TSONGKHAPAと書かれてたチラシ。

これはツォンカパと読み、チベット仏教において、戒律主義を提唱し改革運動を起こした人物らしいです。チベット問題を連想させます。

中華料理屋の前の争いに気を惹かれがちですが、何気に踏み込んだ描写だと思います。

それを含み、日中関係などの国際問題みたいな人間同士の争いみたいな意味が込められていると思われます。

YouTubeにアップしない理由はここか?とも一瞬思いました。ここの表現は結構シビアで、どう捉えられてしまうかわからないから。

 

そんな争いの横では、勉強や将来の面で思うようにいかない尾関と織田が生気を失ったかのような表情でたたずんでいます。 

 

そして少し離れたところからぬいぐるみを抱えた上村が、

その争いを怖がるように見ています。

狭い路地に1人、ぬいぐるみにすがるような気持ちが伝わり、ストリートチルドレンのような雰囲気も感じました。

そんな路地で繰り返される大人たちの世界に距離を置いてしまっているように思います。

 

少し奥には黒い布をまとった人が白い風船のようなものを持っています。

白と黒が混在した人物。

そして柱の横には、女子高生。

この女子高生、小林をいじめてた子だと思います。この子もまた孤独です。

結局いじめていた子も孤独になってしまい、白と黒が混在しています。

はい、ちょっと無理矢理な考察です。白と黒の奴らが毎回しっくりきません。

何かいい解釈ないですか。

 

 

2:22~

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そして、ここから平手の幼少期パートとなり、

平手自身のストーリーにフォーカスし、第三章に入ります。

 

ここの平手に関する一連の流れは、

とても物語性を感じますが、いろんな深読みができてしまい、

解釈がとても難しいです。色んな考察のパターンを考えましたが、

考えれば考えるほどよくわからなくなり、どれもいまいち、これだ!と思う解釈には至ってません。

ちなみに、ケーキのろうそくが8本です。今回は8枚目。

  

 

登場人物は平手幼少期、父親、母親、

青いドレスの女性、写真の母親、男女二人。

 

いくつか解釈はありますが、あえてkikkaさんと全く違うものを書いてみます。

 

写真の中の一枚に父親らしき人物が見切れています。

ここから推測されるのは、平手の親は離婚しています。

そして、再婚し、再婚した義理の父親と母親と誕生日パーティーを開いています。

この時の平手は新しい父親ができ、すごく楽しそう。

しかし、その再婚した父親の元の奥さんと子供が、青いドレスの女性と男女の二人。

離婚をされた青いドレスの女性は二人の子供を養うために水商売をして暮らしていましたが、ついにその母親は疲れ果て、死に向かい歩いていきます。

母親を失ったその二人の子供たちは、父親と再婚した平手の親と平手がいなければ、

父親と出会うこともなく、離婚などしなかった、こうなることはなかったはずだと、

とても冷たい目で二人の写真を眺めます。

平手の母親あるいは父親(再婚相手)が、自殺した人物だったのかもしれません。

もしくは、青いドレスの女性か。

 

誕生日パーティーの時は無邪気に楽しんでいた平手でしたが、

後に何らかのきっかけでそのとても残酷な自身の家庭の裏側を知ってしまい、

自分が幸せになることによって、誰かを傷つけていることを知ります。

そして、実の両親が離婚した原因も自分が生まれてきたことで、すれ違い、離婚に至ってしまったと考えます。

 

そんな矢先に、周りの大人たちからも責め立てられるように罵声を浴びせられ、

耐えきれなくなった平手は、

自分のそんな過去も

救おうとしても救えない現実も

絶望にあふれたこの世界も

 

全部僕のせいだ

 

と責めて、今まで大事に持っていた彼岸花を握りつぶしてしまいます。

 

2:40~

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ここからサビです。

彼岸花をつぶして、生きる意味、希望を失う平手。

 

平手が走ったその先には、黒い羊たち。

後ろには何も映らないテレビ、

積み上げられた本、

これは外界との遮断、思考の停止を意味してるように思いました。

更に白いマネキンがいくつも立っています。

黒い羊のメンバー同士でも衝突が起きているかのようです。

それぞれの苦しみが伝わります。

 

今まで抱きしめたべりさ、しーちゃん、小林、石森、小池には突き飛ばされ

今まで救おうとしていたメンバーに結局なにもできず、

違うんだ!待って!!と引き留めようとしても、

ついにみんな、絶望に溢れた世界から、死の世界へと向かい、走り出してしまいます。

余談ですが、ここの最初で尾関が走り出す瞬間の表情が目立たないけど、とても良いです。

 

途中、小林が転ぶも、もう今の平手にはどうすることもできません。

ただただ死へと駆け抜けるみんなを見て、

自分は結局、厄介者でしかないわかっているよ

と平手もみんなと同じ階段へと進みます。

 

3:20~

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しかし、そこにいたのは過去の自分。

このままでいいのか、

また同じ悲しみをたどるのか、

また同じ絶望を繰り返すのか、

もう一度、幼少期の自分から彼岸花を受け取った平手は過去を繰り返さないために、

生きる情熱を取り戻し、彼岸花を抱きしめます

抱きしめるという行為は、このMV中とても重要な要素を持っています。

(この辺は補足編として後日アップするかも、しないかも)

 

そして、幼少期の自分は力強く頷き、覚悟したかのように

平手は怖さや不安を抱えているかのような息遣いでありながらも階段を上り、

屋上へと走り出します。

 

3:50~

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「僕は生きる!!」

としか私には見えません。

様々な意見がありますが、何回見てもここだけは変わりませんでした。

 

ここからクライマックス。第四章です。

 

とてつもなくきれいな映像です。

 

私は、音源初解禁の時、讃美歌みたいな音楽が流れる3:20のところからは

とんでもない希望を感じたんです。

曲の冒頭からそこまでは、圧倒的に孤独を感じ、絶望の淵に立たされていた平手に、

光が差して、力強く立ち上がり、再び闘おうとする姿がすごい鮮明に思い浮かんだのを憶えています。

実際にMVを見たときに、まさしくそのイメージ通りで感動しました。

 

 しかし、意外にも他の方の考察は割と全体を通しても悲観的で、

最後までネガティブなイメージのまま終わる解釈が多かったのは個人的には意外というか、悲しいというかなんというか。

 

ということで、

ここから、タイトルの通り、

今までそれぞれの人物達が抱えていた絶望に変化が現れます。

平手によって、絶望していた黒い羊達にも少しずつ希望が生まれていき、なんとなく先ほどの建物の中にいた時よりも生き生きとしている印象を受けました。

このMVのクライマックスに関して、個人的に一番好きな私なりの解釈を書いていきます。

 

まず屋上という場所について。

ここから飛び降りれば死、つまり自殺しようとしている人々にとって、あの世とこの世の境のような世界となります。

ここで救えなければもうその先には死しかありません。

 

僕は生きる!

と覚悟した平手はとにかく全力で、黒い羊達を救おうとします。その先には死しかないないので。

叫んだシーンについて平手のアドリブという情報もすでにでていますが、ここからの平手はよく言う憑依していて、新宮監督もTAKAHIRO先生も大まかな流れだけ決めて、それ以外の表現は平手に委ね、憑依することを期待していた気がします。本当に天才です。

しかし、それだけでなく今の欅坂46はメンバーそれぞれの表情も、天才です。

 

話戻します。

黒い羊であったはずのメンバーさえも、他の人たちと同じ動きをしてしまう中で、

平手はメンバーも誰も関係なく救おうとしていきます。

周りと違うそのことで誰かに迷惑かけたか、

反逆の象徴になるとでも言うのか、

そんな歌詞と呼応しながら、説得するかの如く

絶望に屈してしまいそうな人々を抱きしめます

時には突き飛ばされ彼岸花を落としてしまいますが、拾って渡してくれる人間も現れます、さらに拒絶されても諦めない

 

けれど、平手の思いも虚しく、

結局、平手以外の全員が走り出します

 

黒い羊であったはずの人々が絶望に負け、群れをなし、結局、黒い羊は平手1人

救われた人もいたはずなのに、またも平手だけ孤独に逆戻り。

 

しかし、今回の屋上の平手は強かったです。

平手は最後の力を振り絞り、そんな状況でも闘い続けます

どうにもできない思いや苦悩に頭を抱えながらも、

自らの真実を捨て、白い羊のふりをしてしまう人々を前に、黒い羊のまま苦しむ自分を見て笑うのか

と問いかけます。

 

そして最後の平手の主張が、

 

それなら僕らはいつだって

それでも僕はいつだって

ここで悪目立ちしてよう

 

これからも闘い続ける姿勢を見せます。

 

すると、

平手が進む方向にみんなもついてくるようになりました。

平手は救えなかったと思っているかもしれないけど、その後ろには次第に心を動かされた人々がゆっくりついてくるんです。

 

だから、最後の歌詞は

僕ら

であってほしいと個人的に思っています。

歌詞はそうでないとしても、確実にそんな風に聞こえるようにしてます。そういうことにしたい。

 

平手は、白い羊になってしまいそうな、

そして、自殺という選択肢に走ってしまいそうだった人々に希望を与え、

更にそこから、平手自身が人々の希望へとなりました。

 

物語は

始まった

んです。

 

そこに死という終わりはありませんでした。 

 

黒い羊である欅坂46というグループが

黒い羊という曲を、

絶望に溢れた世界に届けました。

 

絶望に溢れた世界にとって、

絶望に屈してしまいそうな人達にとって、

欅坂46というグループが

希望を与える存在になっていくことを期待しています。

 

 

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これが私の希望的考察です。

 

欅坂46が始まりました。

 

これからがより一層楽しみです。

これからも見守っていきたいです。

 

長い長い駄文を最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

ここに書ききれなかった、彼岸花や抱きしめる行為、平手の服、

また、最近の欅のシングルに登場する白と黒の世界観、

ガラスとアンビバとのラストシーンの対比などまだまだ書きたい要素があります。

補足編としてもう一つアップできたらします。